給与ファクタリングの返金を求める行為には、リスクが伴うことを知っておきましょう。

返金を求めることは可能?

ファクタリング返金の可能性を説明

 

給料ファクタリングを利用した場合、払った手数料を返金することや支払いの無効を主張することが可能です。
ただし、実際に返金を勝ち取れる可能性は高くありません。
闇金を利用した場合の事例と比較しながら、給料ファクタリング利用後の対処法をまとめました。

 

既に支払いを済ませた場合

30~40%が相場の手数料を添えて給料日後に支払いを済ませている場合、違法な貸付として返金を要求することが可能です。

 

給料ファクタリング業者は全て貸金業の届出をしていないため、利息制限法範囲内の部分を含めて全額返金できる可能性があります。
実際に金融庁から貸金業に該当する見解が発表されて以降、給料ファクタリング業者を相手に訴訟を起こす事例が相次いでいます。

 

なお、給料ファクタリング業者の全ては違法な貸金業者で、闇金系や反社系の業者が運営しているケースが多く、利用者本人が直接返金要求しても応じてもらえない可能性が高いです。

 

訴訟を起こした場合、無効な貸付として返金要求を認められる可能性が高いですが、勝訴を勝ち取ったとしても給料ファクタリング業者に支払い能力がなければ返金されません。

 

差し押さえする財産がない場合は尚更で、すでに多くの訴訟を起こされている給料ファクタリング会社を相手にする場合、今から新たに訴訟を起こしても財産を差し押さえすることは困難です。

 

司法書士報酬など訴訟費用が発生するため、返金に向けた法的手段に出ることでで出費が膨らむケースもあります。
そのため、給料ファクタリングを利用して支払い済みの方は、泣き寝入りをしている方が多いです。

 

返金を要求する金額が140万円以下の場合は少額訴訟として、手数料の安い司法書士への依頼で対処することができます。

 

闇金も同様に司法書士介入で解決するケースが多いですが、闇金の場合はすでに支払い済みのお金が返金された事例は少ないです。

 

支払い前の場合

給料ファクタリングは30~40%の手数料を差し引かれた金額を事前に受け取り、事前に約束した金額を給料日後に支払うという流れです。

 

給料ファクタリングの申込をしてお金も受け取り、支払いをしていない段階であれば、司法書士へ相談することで借入の無効を主張できます。

 

闇金は完済前に解決する事例が多く、闇金からの借入は元金を含めて返済義務がありません。

 

給料ファクタリングも貸金業の届出をしていない違法業者による貸付に分類されるため、法的手段に移れば貸付自体の無効を主張できます。

 

ただし、違法業者を相手に利用者が直接交渉すると、状況が悪化する恐れがあるので注意してください。

 

直接交渉で素直に受け入れてもらえるケースは少なく、闇金業者の反感を買って家族や職場への連絡など迷惑行為に発展する恐れがあります。

 

闇金の場合は専門性の高い弁護士か司法書士へ相談することで解決する事例が多く、大半のケースは訴訟ではなく示談交渉で解決しています。

 

闇金対策の専門家が示談交渉で解決できる理由は、闇金が使っている口座凍結や刑事責任の追及など、闇金を相手にした交渉カードを持っているからです。

 

そのため、闇金問題に強い司法書士などが介入した場合、闇金は対象者に対する借金の無効を認めるかわりに司法書士は他の責任追及をしないという条件で示談交渉に応じています。

 

給料ファクタリング業者の場合、運営母体にどの闇金や反社が絡んでいるのか司法書士が把握していれば闇金同様の示談交渉が可能です。

 

黒幕が誰なのか分からないなど情報が乏しい場合は、司法書士等に示談交渉をお願いしても状況が変わらないケースがあります。

 

給料ファクタリングの場合は、交渉することで職場への連絡など迷惑行為をされるリスクがあるということを認識した上で、金融庁の見解や過去の判例を理由に直接交渉してみるのも一つの手です。

 

撤退する給料ファクタリング業者が増えているため、正しい知識を持っていることをアピールするだけで、要求を受け入れてもらえる可能性があります。

 

リスクを軽減したい場合は、受け取った金額だけは返済する旨を伝えて交渉する方法でも悪くないでしょう。